印刷におけるSAIBの役割

SAIB（スクロースアセテートイソブチレート）は、主に印刷時の化学的性質を通じてインクの性能と印刷品質を最適化し、次のような具体的な機能を備えています。

1.インクの疎水性と画像の鮮明さを向上

SAIBは疎水化剤としてインク配合物に添加することで、紙などの印刷媒体上におけるインクの拡散を抑制し、印刷画像のエッジの鮮明度とディテール表現を向上させます。例えば、金属版印刷においては、その疎水性によりインクと印刷版間の予期せぬ付着を抑制し、正確な画像転写を実現します。

2.インクの滑らかさと目詰まり防止性の向上

SAIBはインクの粘度を調整し、印刷工程におけるノズルや印刷版へのインク詰まりのリスクを低減します。特に高精度インクジェット印刷に適しています。また、潤滑効果により印刷機器の摩耗を軽減し、耐用年数を延ばします。

3.印刷面の耐摩耗性と耐久性を向上

SAIBは緻密な保護層を形成することで、印刷物の耐擦傷性や耐摩擦性を高めることができ、長期保管や頻繁な接触が求められる印刷物（包装材、ラベルなど）に適しています。

4.インクの付着性と拡散均一性を最適化

SAIBは、紙表面におけるインクの拡散速度を調整し、インクの均一な分布を促進し、色差や滲みを軽減し、印刷色の均一性と彩度を向上させます。この機能は、オフセット印刷やグラビア印刷において特に重要です。

5.他の印刷補助具との相乗効果を補助する

複合配合において、SAIBはアクリル樹脂などの樹脂成分と相乗的に作用し、インクの光沢と密着性を高め、印刷物の耐候性および耐薬品性を向上させることができる。